慢性疲労症候群症は、標準的な検査データを行っても、異常な所見が見つかることは少なく、「原因不明」とされています。
そして、原因が分からないまま、社会での活躍が困難になり、周りから怠けモノと心無い中傷を受け、ツライ毎日を送られている方が少なくありません。 潜在的な方も含めると、日本では40万人程度の方が、慢性疲労症候群であるといわれています。
慢性疲労症候群という病態を根本から改善し、本来の元気(健康)をとりもどすためには、まずその病態の原因を見つけ出し、原因に即した治療をすることがとても大切です。
そのような慢性疲労症候群の患者さんの症状の原因を追究していくと、著しい栄養欠損や甲状腺機能低下などのホルモンバランスの乱れ、感染症、食物アレルギーやビタミンD血中濃度の低下、酸化ストレスなど、多岐にわたる原因が見つかります。
このように、慢性疲労症候群という症状を引き起こしている「真の原因」が究明できれば、症状の根本的な改善につなげることができます。
慢性疲労症候群は、生態恒常性(ホメオスターシス)の乱れからくる代謝異常がベースに存在していると考えられます。
人間の体内では生体恒常性(ホメオスターシス)という生命を維持するための様々な機能がつねに働いており、体内の種々の条件がある一定の範囲で安定するように保たれています。
ほとんどすべての病気は、このホメオスターシスが乱れることからはじまります。
慢性疲労症候群は、このホメオスターシスがある一定のパターンで著しく乱れた結果、引き起こされる病態といえます。
例えば、60項目以上の詳細な生化学検査を行なうと、慢性疲労症候群をお持ちの患者様に共通の体内環境がみつかることがよくあります。
慢性疲労症候群の患者様は、このような代謝異常をベースに、多種多様な要因をあわせ持っている方が少なくありません。
- 栄養失調にともなう代謝異常
- ホルモンの分泌低下
- ビタミンD欠乏
- 食物アレルギー
- 腸内環境の悪化
- 以上の条件による免疫機能の低下、その結果起こるウィルスおよび細菌感染
- 活性酸素ダメージ(酸化ストレス)
- 漢方薬で慢性疲労症候群を治療する
※各項目をクリックすると、その項目にジャンプします。
このように、じつに多種多様な原因が、生化学的な代謝異常を背景にして慢性疲労症候群を引き起こしている可能性があるのです。
慢性疲労症候群を引き起こしている真の原因を知って、初めて適切な治療が可能となるのです。
栄養失調にともなう代謝異常
経験上、慢性疲労症候群の患者様では栄養状態の優れない方が多いです。
「食事をきちんとしている(つもり)のに、栄養素が不足している状態」のことを、私は「隠れ栄養失調」と呼んでいますが、この隠れ栄養失調は意外なようですが現代人に多く見られ、「現代型栄養失調」といいかえることもできます。
現代型栄養失調は、「エネルギーを生み出す」という、生きていくために根本的な必要な働きを低下させる、もっとも根源的な原因です。
これらはエネルギー代謝を低下させるばかりか、免疫力や治癒力の低下、種々のホルモン分泌低下をまねき、疲労をはじめとする様々な症状の原因となります。
そして疲労のために、体調不良のため健康によい食事をとることが難しくなり、加速度的に栄養失調が進行します。
エネルギーを生み出すためには、いわゆるエネルギー源である糖質(炭水化物)と脂質(油)だけでなく、これらをエネルギーに変えて利用するためのビタミンB群、ビタミンC、鉄などの多様な栄養素が必要です。
慢性疲労症候群の患者様ではこれらの栄養素の欠損は非常に多くみられるものです。
これらの栄養素の不足は、食習慣によるもののみならず、消化機能の低下がある場合によく起こります。
このため、慢性疲労症候群は分子整合栄養医学に基づく栄養療法が非常に有効な疾患のひとつといえます。
残念ながらこの事実は現代医学的にはまったくといっていいほど無視されていますが、私の経験からいえば、栄養欠損を無視してはどんな薬物治療も有効に働きません。
治療レベルの栄養素の処方を行えば、より短期間で症状が改善することが期待できます。
分子整合栄養医学とは、まだ日本では耳慣れない治療法ですが、いわゆる民間療法とはちがい、医学的かつ生化学的な根拠にもとづいており、現代医学では治療が難しい病気の分野などで世界的にも注目を浴びている治療法です。
具体的には治療レベルの栄養素(ドクターユースオンリーの治療用サプリメントを用いる)を利用します。
分子整合栄養医学は、「よい食事をすること」とも、「市販されているサプリメントを適当に摂取すること」とも、まったく異なるものです。
分子整合栄養医学の概念は、「体を作っている『分子の異常』が病気を引き起こす」という考えに基づいています。
人体を形作っている60兆個の細胞は、もとはといえばすべて「分子」から作られています。その分子の異常が、細胞の機能異常を引き起こし、その結果として病気が起こるのです。
病気を根本的に治癒させるためには、この「分子の異常を整える」ことが必要となります。
ではそもそもこの分子は何からできているのでしょうか?
いうまでもなくこの分子とは、私たちが口にする栄養素からできています。
ということは、分子のもとである栄養素を至適量(適切な量)摂取することで、分子の異常を整えることが、すなわち治療となるのです(=分子整合栄養医学)。
分子を整えるために重要なことは、用いる栄養素の「量」です。
例えば、老人性白内障という目が見えづらくなる病気がありますが、これは眼の水晶体のタン白質が酸化変性することにより起こります。
タン白質の酸化変性という「分子の異常」を整えることは、厚生労働省の定める毎日100mgというビタミンCの量では不可能であり、人間では毎日グラム単位のビタミンCが必要になります。
栄養素の量が不十分な場合、「分子を整える」ことができないため、効果は期待できません。
現実的にはグラム単位のビタミンCを食事のみから毎日摂取することは不可能であるため、
至適量のサプリメントが必要になります。
分子整合栄養医学に基づく栄養療法は、その安全性が世界的にも認められており、より自然な治療法として多くの国で臨床医が実践しています。
私の経験では、慢性疲労症候群の患者様は全員が栄養失調です。
栄養失調を放置しては本来の健康の回復は望めません。
また、食事から摂取できる単位の栄養素では、栄養失調は治療できません。
このため当院では、分子整合栄養医学に基づく栄養療法を、慢性疲労症候群のベースとしています。
そこへ他のいろいろな原因にあわせた治療を組み合わせ、総合的な治療を行っております。
種々のホルモンの分泌低下
アメリカの臨床医の報告や、私個人の臨床経験においても、慢性疾患を抱える患者様の多くは同年齢の健康人にくらべ、ホルモンを充分に分泌できていないことが多いことがわかっています。
慢性疲労症候群を治療して本来の健康をとりもどすためには、ホルモンの分泌機能を正常に回復させることがとても大切です。
慢性疲労症候群の患者様では、何らかのホルモン分泌低下がある場合が多くみられます。
それらの代表的なものは、隠れた甲状腺機能低下症や、副腎機能低下症です。
他にはテストステロン(男性ホルモン)値の低下がある場合もあります(男女問わず)。
これらのホルモン分泌低下の診断は、検査の基準値によるものではなく、症状に基づくものであることが必要です。
ホルモンとは、体内の数種の内分泌腺より分泌され、微量ながら全身に影響を与える物質の総称であり、自律神経とともに全身の生体恒常性(ホメオスターシス)の維持を行っている、とても重要な物質です。
正常な生命活動には、これらのホルモンが正常に分泌され機能していることが必要不可欠なのです。
自然なホルモンには老化を抑制する効果があり、ホルモンの分泌量が低下すると、創傷や病気の治癒力が低下します。また、免疫系もうまく機能しなくなります。
このように、健康の維持や、いうまでもなく慢性疲労症候群のような慢性疾患の治療のためには、全身のホルモンシステムがしっかり機能していることが重要です。
しかし、ホルモン分泌が低下している時に、人工的に化学合成された「ホルモン剤」を使うことは、かえって望ましくない効果を引き起こす可能性があります。
ホルモン剤(人工合成されたホルモン)と自然なホルモン
多くの患者様は、例えばステロイド(ホルモン)というと「ステロイド剤」というように、ホルモンというと「ホルモン剤」をイメージされる方がほとんどではないのでしょうか?
例えば、アトピー性皮膚炎やリウマチ性疾患などでは、プレドニンなどのステロイド剤を処方されることが多いですが、「ステロイド」という言葉を聞いただけで、拒否反応を覚える患者様は少なくありません。
しかしよくご理解いただきたいことは、私たちの体が自然につくりだしているホルモンは、体内での様々な重要な生理活動をコントロールする働きをしている、という事実です。
ですから、ホルモンは本来健康維持に必要不可欠な物質であり、おそろしいものでは決してないということです。
そしてそのような大切なホルモンが不足していることが、症状や病態の原因である場合は、その不足を補うことがすなわち根本的な治療となるのです。
しかしここで重要なことは、これは日本ではまだあまり知られていないことですが、現在ある治療として使えるホルモンには、大きくわけると2種類あるということです。
それは、自然なホルモンと、人工合成された「ホルモン剤」です。
例として、私たちの体が自然につくりだしている「プロゲステロン(黄体ホルモン)」と、人工合成された「プロベラ(酢酸メドロキシプロゲステロン)」があります。プロベラは更年期障害の女性ホルモン補充療法などでよく使われる「黄体ホルモン剤」です。
関節リウマチなどの治療には「ステロイド剤」であるプレドニゾロンなどの人工合成ホルモンを使用しますし、甲状腺ホルモン剤としてはレボチロキシンなどが有名です。
このように、現在の日本の保険診療の範囲内で使用できるホルモンは、そのほとんどが人工の合成ホルモン、いわゆる「ホルモン剤」です。
これらは一見似てはいますが、体内に入った時に及ぼす作用は大きく違います。
このような人工合成されたホルモンは「ホルモン剤」であり、私たちの体内で自然につくられるホルモンとは違った化学構造を持っています。
人工合成ホルモンは、人間が科学的に手を加えてつくり出した「製品」なのです。
本来ホルモンは、体内で「鍵」と「鍵穴」のように働きます。それぞれの分泌腺(ホルモンを分泌する器官)よりホルモン(鍵)が分泌され、血液の流れにのって、体内の細胞の表面(または核)にある受容体(鍵穴)に届けられます。そして、「鍵」が「鍵穴」にぴったりとはまる、すなわちホルモンが受容体に結びつくことで、細胞に情報を伝え、体内に自然な化学反応を起こしているのです。
しかし現代医学において標準的に治療に使用される人工合成された「ホルモン剤」は、本来人間の体が作りだすホルモンとは違った鍵の形をしているために、厳密には体内の「鍵穴」(受容体)にぴったりと結びつくことができません。このため、本来のホルモンが持っている働きとは異なる作用を、人体に及ぼしてしまうのです。
また受容体と結びついて体内に残存する時間が長いため、自然なホルモンよりも長期間作用し続けることになり、これも予測不能な結果をまねくことになります。
このために、人工合成のホルモンはつねに副作用の問題をともなってしまうのです。
それに対して自然なホルモンは、自然な動植物から天然成分を抽出してつくられているか、または合成であっても自然なホルモンとまったく同じ化学構造を持っています。
人間の体内にあるホルモンと同じ化学構造(同じ鍵の形)をしていますから、体内でもまったく同じように働くのです。
このようなホルモンは、英語では「Bio-identical Hormone(生体にきちんと認識されるホルモン)」と呼ばれています。
これを私は「自然なホルモン」または「ナチュラルホルモン」と呼んでいます。
当然ながら自然なホルモンは、人工合成ホルモン(ホルモン剤)よりも、人体にとって受け入れやすいことはいうまでもありません。
現在、私はホルモン治療を行なうのであれば、副作用がなく安全で、本来の目的に即した治療効果を発揮してくれる「自然なホルモン」を使うことを、強くおすすめしています。
ただ、自然なホルモンであっても、使い方を誤ると、副作用を伴うことがあります。
自然なホルモンであっても、過剰な摂取や少なすぎる摂取は、目的の作用が得られないばかりか、本来のホルモン分泌機能を低下させることもあります。
このため、経験豊富な医師または専門家の管理の下で、ホルモン値の変化を把握しながら厳密に使用する必要があります。
また、自然なホルモンは、処方箋なしで購入できるようなものではなく、薬剤師が処方するホルモン含有量が安定した質の高いものでなければなりません。
私は臨床経験より、自然なホルモンであっても「適切なタイミングで、適切なバランスで、適切なホルモンを補充することではじめて目的とする効果が現れる」と考えています。
また、さまざまなホルモン分泌機能を低下させる原因には、重金属の蓄積や食物アレルギー、栄養欠損による代謝異常など多様な原因があるので、総合的な治療が必要となります。
図1 自然なホルモンと人工合成ホルモンの比較
例:自然なプロゲステロンと人工合成のプロベラの違い
慢性疲労症候群治療で主に使われる自然なホルモン
甲状腺ホルモン
DHEA
コルチゾール(副腎皮質ホルモン)
テストステロン(男性ホルモン)
※場合により、エストロゲンやプロゲステロン、メラトニン、アルドステロン、成長ホルモンなども用いる
ビタミンD欠乏症 - 新たなる文明病 -
ビタミンDにはビタミンの名前がついていますが、実際には体内でホルモンに近い働きをしている物質であることが、最近の研究によって明らかになっています。
人間にとってビタミンDは、成長や健康な体の維持に、生まれる前から死ぬまでの間、非常に重要です。
先進国ではビタミンD欠乏症は疫病のように蔓延していると云われており、数多くの疾病との関連が指摘されています。
ビタミンDの古典的な働きには以下のものがあります。
- 腸からのカルシウムとリンの吸収を高める
- 骨へのカルシウムの蓄積を促進する
- 破骨細胞の成熟を促進する
- PTH(副甲状腺ホルモン)を抑制する
上記のように、カルシウムの代謝、骨量を維持するという働きをしています。
しかし、骨以外にも体内のあらゆる臓器がビタミンDを利用することがわかっています。
ビタミンDを利用する臓器
骨・腸管・乳腺・前立腺・肺・皮膚・リンパ節・大腸・すい臓・副腎皮質・脳 など
そして最近の研究により以下のようなことが明らかになっています。
- 200種類以上の遺伝子において、遺伝子複写の調節を行う
- 神経機能において、神経伝達物質として働く
- 免疫系に作用し、抗炎症作用を及ぼす
- 天然抗生物質としての効果を持つ
ビタミンDは、日光暴露により、皮膚でコレステロールより生産されます。さらに、肝臓で25-OHビタミンDに変換され、腎臓ではさらに1,25(OH)₂ビタミンDとなり、種々の疾患の予防や治癒に効果を及ぼしています。
慢性疲労症候群の患者様では、血中ビタミンD濃度が低値の方が多いです。
慢性疲労症候群以外でも以下の種々の疾患がビタミンD欠乏と関連があるといわれています。
ビタミンD欠乏と関連する、または関連が疑われる疾患
慢性疲労症候群・易感染症・心血管系疾患・高血圧・糖尿病・骨粗鬆症・多発性硬化症・うつ病・精神疾患・てんかん・偏頭痛・脳卒中・多嚢胞性卵巣症候群・筋骨格系疼痛・自己免疫疾患・炎症性疾患・炎症性腸疾患・がん・線維筋痛症・自閉症・新生児の先天異常・歯周病・黄班変性症・悪性黒色腫・インフルエンザ・尋常性乾癬・痛風・耳硬化症・間質性ぼうこう炎・呼吸器低下・血栓症・慢性腎不全・ヘモクロマトーシス・胃腸疾患 など
例えば、以下のようなことも明らかになっています。
- ビタミンD欠乏はすべての疾患において、死亡率を上昇させる
- 血中ビタミンD濃度が34 ng/ml以下で、心筋梗塞のリスクが倍増する
- ビタミンDは細胞の増殖を抑制し、細胞の分化・アポトーシス(細胞の自然死)を誘引し、血管新生を抑制することで、ガンの治癒を導きうる
血中25‐OHビタミンDが25 ng/ml以下で、以下の疾患をふたつ以上有する病態を、ビタミンD欠乏症候群(Vitamin D Deficiency Syndrome : VDDS)と呼ぶことが提案されています。(ビタミンDカウンシル http://www.vitamindcouncil.org/ による。)
それらとは、骨粗鬆症・心疾患・高血圧・自己免疫疾患・いくつかのがん・うつ・慢性疲労または慢性疼痛、です。
上記の疾患の原因はビタミンD欠乏症だけではありませんが、ビタミンDを補うことにより治療効果が期待できます。
ビタミンD欠乏症の診断は、血中25‐OHビタミンD濃度を測定します。
(1α、25‐OHビタミンDの測定には、診断価値はありません)
| 血中25-OHビタミンD濃度 | 評価 |
|---|---|
| 20 ng/ml以下 | 欠乏 |
| 20 ng/ml以下 | 欠乏 |
| 40 ng/ml以下 | 理想的 |
| 80 ng/ml以上 | 過剰 |
ビタミンD欠乏症の治療には、以下の三つがあります。
- 日光を浴びる(白人が夏に全裸で30分日光浴をすると、20,000単位のビタミンDが合成される)。もちろん、紫外線暴露の欠点も考慮しなければならない。
- 人工のUVBライトを浴びる(医療用の紫外線器具のことで、日焼けサロンでは否)
- ビタミンD3(コレカルシフェロール)のサプリメントを使用する
ビタミンD欠乏症の治療の副作用として、以下のことが起こりえます。
- 高カルシウム血症 (非常にまれでビタミンDのみの原因では、ほとんど起こりにくい。)
- ビタミンD過剰反応症候群 (ビタミンDが正常濃度で、カルシウムのみが上昇する。) 副甲状腺機能亢進症、がん、サルコイドーシス、クローン病、結核などで起こります。
以上のような副作用を引き起こす場合があるため、治療中は血中25‐OHビタミンD濃度やカルシウム濃度の測定が必要となります。
食物アレルギー
慢性疲労症候群と食物アレルギーの両方をお持ちの患者様は、どちらが先行していたのか見極めるのが難しいほど、両者の深い関連性が指摘されています。
アメリカでは、難病の治療の際の重要ポイントのひとつに食物アレルギーがあげられており、50年以上に及ぶ「食物アレルギーと関係」についての調査研究が行なわれています。
たとえば慢性疲労症候群の患者様に、食物アレルギーが原因で不快な症状を引き起こす食物を除いた食事を続けてもらった結果、患者さんに症状の改善があったとう報告があります。
このように、食物アレルギーが慢性疲労症候群の原因ではないか、確かめる必要があります。私の経験では、穀物や乳製品でアレルギーを引き起こしているケースが多いと感じています。
この場合問題となるのは、日本でもよく行われている即時型アレルギー(IgE)ではなく、遅延型アレルギー(IgG)です。
IgG抗体検査は日本で行われていないため、当院では採血した血清をアメリカのラボに送り、解析を依頼します。
当院での食物アレルギー検査
88種類の食物に対するIgG抗体
19種類の食物に対するIgE抗体
総IgE
腸内環境の悪化
腸内環境の悪化が、慢性疲労症候群の発症に関係している可能性があります。
原因として、腸内の善玉菌の低下と悪玉菌の増加、また腸のバリア機能の低下により、以下のことが起こりえます。
- 栄養素の吸収障害
- 免疫細胞の多くは腸管に存在するため、腸内環境の悪化が免疫細胞を刺激し、異常な免疫活動を引き起こす可能性がある
- 腸粘膜の障害により、食物の大きなタン白分子が吸収されることにより、食物アレルギーが誘発される
この場合、腸内環境を整えることが症状の改善につながります。
細菌・ウィルスによる感染症
以上の1〜5までのさまざま条件が、患者様の免疫力を低下させ、自然治癒力の低下をまねきます。
その結果起こりうることは、細菌やウィルスなどに対する抵抗力が非常に低下してしまうと言うことです。
これは過剰な免疫反応を引き起こし、慢性疲労症候群の症状を起こす原因となりえるのです。
みなさんは慢性疲労症候群を発症させる原因の一つが感染症である、というとびっくりされることでしょう。
感染症が原因になっている可能性のある病気
- リウマチ性関節炎
- 強皮症(硬皮症)
- 繊維筋痛症
- 慢性疲労症候群
- 血管炎(脈管炎)
- ライター症候群
- 橋本病
- グレーブス病
- リウマチ性多発性筋痛
- 多発性筋炎
- 乾癬性関節炎
- 若年性関節リウマチ
- シェーグレン症候群
- 尋常性狼瘡
- 多発性硬化症
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病
- 湾岸戦争症候群
出典 Overcoming Arthritis by David Brounstein,M.D
このように慢性疲労症候群の原因には、やはり細菌が関与しているケースがたいへん多いと考えられます。実際に、そうした患者さんに抗生物質を使うことにより、症状は劇的に改善することも少なくありません。
私の場合は、時と場合によりますが、抗生物質の代わりに「二十一世紀の超抗生物質」といわれるオリーブ葉エキスを使用しています。抗生物質よりもより安全で、高い効果が期待できます。
また、ビタミンD欠乏はやはり易感染性を招き、種々の細菌やウィルス感染を引き起こします。血中ビタミンD濃度を測定の上、ビタミンD欠乏の補正をすることも、感染症に対する非常に有効な手段です。(ビタミンD欠乏のページへ)
次に述べるビタミンCの高濃度点滴療法も、感染症の治療として非常に有効です。
活性酸素ダメージが引き起こす慢性疾患
慢性疲労症候群においても、活性酸素ダメージが症状の原因、または症状の修飾をしている場合があります。
活性酸素は体内の生理的反応を傷害し、組織の修復に大きなダメージを与え、組織障害を引き起こします。
酸化した(錆びた)タン白質は機能を損ない、本来の働きを失ってしまうため、老化や代謝の低下をまねきます。
また、細胞膜の脂質の酸化は、細胞膜上のホルモンレセプター機能の低下等をまねき、ホルモンの感受性の低下を引き起こす可能性があります。
慢性疲労症候群の治療を行うには、分子整合栄養医学にもとづいて栄養素を十分に補給することと、ホルモン補給などの他の原因に応じた対策をとること、そして活性酸素ダメージに対する対処が非常に必要です。
活性酸素ダメージに対する対策、すなわち「抗酸化」対策も、栄養療法の一環となります。
一般的な抗酸化物質には以下のものがあります
- βカロテン(ビタミンA)
- ビタミンC
- ビタミンE
- セレニウム
- αリポ酸
- CoQ10
などです。
これらの抗酸化物質を至適量(適した量)摂取していくことが重要です。
なかでも、「高濃度ビタミンC点滴療法」は、慢性疲労症候群の治療においても、比較的短期間で効果が現れやすい治療法になりうるケースがあります。
副腎皮質ホルモンの産生にはビタミンCが必要であるため、高濃度ビタミンC点滴療法は、活性酸素の消去だけでなく、副腎機能低下の改善にも役立ちます。
高濃度ビタミンC点滴療法は、現在がんの代替療法として注目を浴びていますが、非常に安全性が高いことが確認されています。
この場合点滴だけでなく、内服での栄養療法をしっかり行うことが重要であることはいうまでもありません。
漢方薬で慢性疲労症候群を治療する
ただ今準備中です。
もうしばらくお待ちください。





